『忘機庵─ゆらぎの茶室 工芸建築の試み』の出版・リリースについて


新しいまちづくりの方向性を模索する有志が集う「金沢まち・ひと会議」では、「工芸建築」をテーマに研究会やシンポジウム、展覧会などを実施して、新しい概念として「工芸建築」の可能性を検討してきました。

その一つの成果として、ベルリン王宮を復元した欧州最大の文化施設「フンボルトフォーラム」内の「ベルリン国立アジア美術館」に「忘機庵―ゆらぎの茶室」が完成しました。この茶室は、裏千家業躰の奈良宗久氏のご縁から、建築家の浦淳氏、陶芸家の中村卓夫氏、漆工の西村松逸氏、金属造形作家の坂井直樹氏と浦建築研究所により、計画・設計・制作されました。

「金沢まち・ひと会議」では、ドイツ・ベルリンに完成した「忘機庵―ゆらぎの茶室」の紹介と、完成に至るまでの「工芸建築」の取り組み、考えなどを日本語・英語を併記した小冊子にまとめました。東館のオープニングにあわせて関係者が金沢からベルリンを訪問した際に現地でも配布し、好評を得たものです。冊子の内容は下記URLよりPDF版でもご覧いただけます。


『忘機庵─ゆらぎの茶室 工芸建築の試み』

The Bokian: A Tea House in Fluctuation A Case of KOGEI Architecture
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「忘機庵―ゆらぎの茶室」はベルリンの風土や文化を象徴しながら、茶道の精神性に気づく茶室として、趣都金澤の会員も多く関わり完成されました。ぜひ冊子の内容から、その取り組みをご覧ください。

「工芸建築」とは
新しいまちづくりの方向性を模索する有志が集う「金沢まち・ひと会議」での議論から提起されたコンセプトです。当時、金沢21世紀美術館の館長であった秋元雄史氏のアイデアをヒントに、工芸を使って建築の価値を高める「工芸リノベーション」と、建築スケールでの工芸の新たな展開という発想から、工芸と建築とを融合させた全く新しいジャンルとしての「工芸建築」概念が着想されました。2013年から工芸、建築、アート、産業、哲学等の異分野の専門家らが思索と議論を積み重ね、2017年には「工芸建築」のコンセプトを形にする初の展覧会を「21世紀金沢工芸祭」の一環として開催し、2018年にも「東アジア文化都市」の一環として「工芸建築展」を金沢21世紀美術館で開催しました。

工芸建築展2017
http://machihitokanazawa.com/news/823/

工芸建築展2018
https://machihitokanazawa.com/news/834/