2025年度「総会」「趣都フォーラム」を開催しました(報告)

2025年度の「総会」と「趣都フォーラム」を5月17日、金沢21世紀美術館・シアター21で開催しました。

フォーラムで挨拶する理事長の浦淳さん

■2025年度 総会

総会は議長に宇田直人さんが選任され、下記議案が浦理事長と事務局によって説明。無事に了承されました。

  ・2024年度 事業報告と決算報告
  ・2025年度 事業計画と収支予算
  ・監事2名と理事26名の選任

また、理事によって浦淳さんが理事長に再任され、あいさつがありました。

左から宇田直人さん、浦淳さん、薄井寛さん

■趣都フォーラム2025「金沢における次世代文化まちづくり」

フォーラムには会員、非会員合わせて約100人が集まりました。冒頭、事務局から各委員会の活動紹介があり、理事長の浦淳さんが今回のフォーラムに託した思いを話しました。

続いて森義隆監督に委託して製作している能登復興支援のドキュメント映画を、ダイジェストで上映。監督からは「珠洲の高屋で制作している。定点観測的に撮影していくことで、復興や変化の様子を捉えていく」と説明がありました。

理事で司会を務める佐無田光さんからフォーラムのテーマについて説明があり、「文化を中心とした『これからのまちのあり方』を考えようと企画。各領域のオピニオンリーダーの方々に議論してもらい、出された課題をもとに次世代のまちづくりに向けたビジョンの材料を抽出したい」との企画意図を話しました。

森義隆さん
浦淳さん
佐無田光さん
薄井寛さん

ラウンド1「まちのビジョン」

登壇者
  鶴山雄一さん 加賀建設 代表取締役(当会員・理事)
  並木将仁さん インターブランドジャパン 代表取締役
  松本有未さん ことのは不動産 代表取締役
  山本周さん 山本周建築設計事務所
  コーディネーター 菅野圭祐さん 筑波大学 助教(当会員)

「調和や平均でビジョンをつくると特徴が無くなってしまう」という従来型のまちづくりの課題が出されたほか、「金沢は多様で重層的。兼六園や金箔といった『金沢はこうだ』という決めつけた見せ方は金沢らしくないのでは。消費の対象で終わってしまう」「居心地の良さや空気感、人々の包容力など言語化できないところに金沢の本質がある」といった意見が交わされました。

ラウンド1「まちのビジョン」の様子
並木将仁さん
鶴山雄一さん
松本有未さん
山本周さん

ラウンド2「アート&デザイン」

登壇者
  上田陽子さん 金沢アートグミ
  上町達也さん secca inc代表取締役
  鈴木啓太さん Product Design Center代表
  鷲田めるろさん 金沢21世紀美術館 館長
  コーディネーター 高井康充さん ノエチカ キュレーター

「金沢は作家が多く、個性的なギャラリーも増え、文化的な活動が行われる街」という評価がある一方で、「文化的なものを見世物や売り物にして消費する観光地という側面がある。閉じてしまわないで開くことは重要だが、両立させる施策も必要」などの意見が出されました。

ラウンド2「アート&デザイン」の様子
鷲田めるろさん
上田陽子さん
鈴木啓太さん
上町達也さん

ラウンド3「関係人口・観光」

登壇者
  大瀬良亮さん 遊行 代表取締役
  能崎将明さん 能崎物産 専務取締役
  松下秋裕さん Linnas Design代表取締役
  龍崎翔子さん 水星 代表取締役
  コーディネーター 丸谷耕太さん 金沢大学 准教授(当会員・理事)

「京都だと文化の担い手はごく一部の人。金沢は市民の多くがそれぞれ文化を継承し、意識も高い」という意見や、「旅行会社のチラシにあるようなイメージを消費する場でも、テーマパークのように非日常を楽しむ場所でもあってほしくない」「魅力はもちろん課題も隠さず見てもらい、普段の金沢の日常を体験するだけで特別な価値を感じてもらえないだろうか」という課題が出されました。

ラウンド3「関係人口・観光」の様子
龍崎翔子さん
松下秋裕さん
能崎将明さん
大瀬良亮さん

最後に理事の内田奈芳美さんが総評し、フォーラムは閉会しました。
そのあと、21世紀美術館・フュージョン21で懇親会が盛大に行われました。

内田奈芳美さん
懇親会の様子
懇親会であいさつする鷲田めるろさん
懇親会であいさつする顧問の秋元雄史さん
懇親会の様子