Activities

活動内容

「趣都金澤」は、思考することと実践することのバランスを重視し、
委員会制で多様な事業と議論を並行して進めています。

金沢まち・ひと会議

金沢の真正な価値を掘り起こし、世界の中で評価される新しい都市文化を金沢から発信することを目的に、さまざまな情報発信・コミュニティ形成・事業提案を行います。「工芸建築」展、「金沢まち・ひとサロン」、「リベラル・アーツ塾」の開催や、まちづくり提言「世界趣都 金沢2030」策定なども行なっています。

議長:佐無田光
副議長:西村松逸・吉村寿博
担当理事:内田奈芳美・盛下敏成
広報:坂下有紀・今西泰赳

能登復興会議「のとボイス」第1回を行いました

能登復興会議「のとボイス」第1回を2月2日、金沢未来のまち創造館で行いました。

主催は認定NPO法人趣都金澤、能登復興建築人会議、みやぎボイス連絡協議会から成る「のとボイス連絡協議会」。当日は「既存ストックのゆくえと能登の未来」をテーマに、趣都金澤の浦淳さん、内田奈芳美さん、森義隆さん、佐無田光さん、小津誠一さんを含む計25人の復興関係者や有識者が登壇し、会場には約40人、オンラインには約80人が参加しました。

冒頭に金沢工業大学教授の竹内申一さんは、能登復興建築人会議が行う「能登半島地震住宅資源悉皆調査」を説明。価値があり残すべき家があるのではと6市町89地域の約6000棟の公費解体対象建築物と歴史的建築物を調査していると報告しました。

石川県の浅野大介副知事は「公費解体完了10月末というのは熊本地震を前例に設定した目標だが、それまでに必ず壊さないといけないという誤解が生じている。所有者が検討のために留保したいものや解体に課題がある建物についてはその限りではないので周知したい。古民家という言葉も誤解されるが、歴史や文化的価値を必ずしも求めていない。既に申し込んだ人も考え直すことができるので相談してほしい」と訴えました。

金沢R不動産社長の小津誠一さんは「残すべき建物に選定基準や価値算定など価値付けする必要がある。金沢の『特定金澤町家』のような指定制度は参考になる」と話されました。文化的価値を正しく評価し地域経済に貢献できる「健全な不動産取引」が課題だとする一方で、4月に改正・施行される建築基準法は能登の復興に影響があると指摘しました。

浅野大介副知事
内田奈芳美さん
小津誠一さん(左)

岩手県で住宅の復興業務をしたという国土交通省の大水敏弘さんは「東日本大震災では13日後に道路はほぼ復旧したが、能登は未だに寸断している。人口も2割減り、児童数は3~4割減っている」と厳しい現状を共有。「岩手では区画整理して造成し災害公営住宅完成まで7年かかった。中越地震では村ごとまとまって避難したので3年半で完了し、7割の住人が戻った。熊本地震では区画整理事業完了まで12年かかるのでまだ完了していない」と各地の状況を共有した上で、「復興には合意形成が最も重要なプロセスで時間がかかるが、輪島だけで集落が180もあり、課題が多い」と話しました。

東北大学教授で輪島市復興まちづくり委員長を務める姥浦道生さんは「人口減、高齢化、少子化を受けた復興には、町を単にコンパクトにするだけではなく魅力をどう作るか、そのために町をどう運営していくかが課題。洗濯物が干してあるような日常の街並みや、漁網が家の前に掛けてあるような漁村の風景などをどう取り戻すかも重要」と話しました。

輪島キリモト社長の桐本泰一さんは、漆器店や民家からレスキューした古い輪島塗を修理と追加工を施して蘇らせるプロジェクトを始めたとして「輪島塗は直すことができ、直したらさらに強くなる。これを輪島の持つ力と捉えて地域復興させたい」と話しました。

浦淳さん
森義隆さん
姥浦道生さん(左)

YouTube 「のとボイス」第1回(能登復興建築人会議)
https://youtube.com/live/2UnKqC6RvOc